毎日の食卓に欠かせない存在となっている食パン。
朝ごはんにトーストとして、
サンドイッチやフレンチトーストの材料として、
私たちの生活にしっかりと根付いています。
しかし、そんな身近な食パンにも、
あまり知られていない“正式名称”が存在するのをご存知でしょうか?
この記事では、食パンの正式な呼び方をはじめ、
誕生の背景や日本への伝来、食パンの代表的な種類やアレンジ方法、
最近注目されている高級食パンとの違いについても詳しく解説していきます。
パン好きな方も、食パンは焼くだけ派の方も、
この機会に「食パンの奥深さ」に触れてみてはいかがでしょうか。
食パンの正式名称とは?
「食パン」の正しい呼称は「主食用パン」とされています。
日本でこのように呼ばれるようになったのは、
いくつかの理由があります。
ひとつは、
パンが西洋では主食として位置づけられていたこと。
もうひとつは、
デッサンなどで使う「消しパン(練り消しの一種)」と区別するために
「食べるためのパン=食パン」と呼ばれるようになったという説です。
また「本食パン」と呼ばれていた時期もあり、
西洋料理の基盤となることを意識した名称だったと伝えられています。
英語では「white bread」と表現されることが一般的です。
さらに細かく見ると、
耳の部分は「crust(クラスト)」、
中の白い部分は「crumb(クラム)」と呼ばれており、
海外ではそれぞれの呼び名も定着しています。
食パンの起源と誕生の背景
食パンの基本形
食パンとは、
四角い金型や円筒状の型に生地を入れて焼き上げたパンのことを指します。
日本の農林水産省による分類では
「型焼きパン、コッペパン、レーズンパン」などが含まれますが、
一般的に「食パン」と聞くと
角型や山型の型焼きパンを思い浮かべる人が多いでしょう。
現在ではパン屋だけでなく、コンビニやスーパーでも手軽に買えるため、
日本人の生活にすっかり溶け込んでいます。
イギリスでの誕生
食パンのルーツは18世紀後半のイギリスにあります。
産業革命の影響で従来の楕円形のパン窯が改良され、
四角い型を使って大量にパンを焼くことが可能になりました。
その結果、山型にふくらむ「イギリスパン」が誕生し、
食パン文化の基盤となったのです。
人口増加とともにパン需要が高まったこともあり、
この効率的な製法は急速に広まりました。
日本への伝来
日本に食パンが伝わったのは明治時代の中頃。
横浜でイギリス人ロバート・クラークが「ヨコハマベーカリー」を開き、
外国人居留地や船員向けにイギリスパンを提供したのが始まりとされています。
やがてホテルや洋食店でパンが提供されるようになり、
日本人の間にも次第に浸透していきました。
食パンの種類
食パンといえば、見た目が似ているようでも、
実はいくつかのタイプがあります。
大きく分けると「山型食パン」と「角型食パン」の2種類があります。
山型食パン
上部がふんわりと山のように盛り上がった形が特徴。
蓋をせずに焼くため縦に伸びやすく、
食感は柔らかく軽いのが魅力です。
トーストするとサクッとした歯ざわりが楽しめます。
角型食パン
蓋付きの型で焼くため、
きっちりと四角い形に仕上がります。
焼成中の水分が閉じ込められるので、
しっとりとした口当たりになります。
サンドイッチに使うのは、この角型食パンが多いです。
食パンの美味しい楽しみ方
食パンはそのままでも十分美味しいですが、
少し工夫することで食卓をさらに豊かにしてくれます。
・目玉焼きトースト
トーストした食パンにマヨネーズを絞り、
目玉焼きをのせるだけ。
ボリュームがあり、
朝食に最適です。
ハムやベーコンを加えると満足感が増します。
・ピザトースト
ケチャップやピザソースを塗り、
チーズや野菜をのせて焼くだけ。
簡単にピザ風の味わいが楽しめ、
子どもから大人まで人気です。
・フレンチトースト
卵と牛乳に砂糖を加えた液にパンを浸し、
バターで焼き上げます。
しっとり甘い味わいは、
朝食やおやつにぴったり。
前日に卵液に漬けておくとより濃厚に仕上がります。
・しらすチーズトースト
和風アレンジの一例。
しらすの塩気とチーズのコクが相性抜群で、
大人の朝食にもおすすめです。
高級食パンと一般的な食パンの違い
ここ数年、専門店の「高級食パン」が大きな話題となっています。
一般的な食パンと何が違うのでしょうか。
一番の違いは「原材料」と「製法」へのこだわりです。
高級食パンはバターをたっぷり使い、
生クリームやハチミツを加えることも多いです。
さらに小麦粉も産地や品種にこだわり、
高級銘柄を選ぶことがあります。
製法面でも、発酵時間や温度管理を丁寧に行い、
ひとつひとつ手間をかけて焼き上げています。
そのため価格は高めですが、口溶けの良さや香り、
甘みの豊かさは他では味わえないものがあります。
一方で、カロリーはやや高めになる傾向があり、
日常的に食べるというよりは
特別な日やご褒美として選ばれることが多いのも特徴です。
まとめ
食パンの正式名称が「主食用パン」であることを知ると、
普段何気なく口にしているパンが、
実は長い歴史や文化の流れを持っていることに気づかされます。
18世紀のイギリスで生まれ、明治期に日本に渡り、
今では日常生活に欠かせない存在となった食パン。
角型や山型、高級食パンなど多彩なバリエーションもあり、
食べ方のアレンジも無限大です。
日々の朝食や軽食に欠かせない食パンですが、
その成り立ちや背景を知ることで、
より豊かな気持ちで味わうことができるでしょう。
ぜひ自分のお気に入りの食べ方や種類を見つけて、
食パンの奥深い世界を楽しんでください。