パエリアの発祥国はどこ？歴史や種類と本場の魅力を分かりやすく解説

華やかな彩りと豊かな食材の旨みを一皿で楽しめる「パエリア」は、
日本でも人気の高い海外グルメの一つです。

魚介類や肉、野菜などをふんだんに使ったその姿は、
見た目にも豪華で、食卓を一気に華やかにしてくれます。

そんなパエリアですが、
「一体どこの国の料理なの？」
「どんな歴史があるの？」と気になったことはありませんか？

この記事では、パエリアのルーツや誕生の背景、
さらには多彩な種類まで詳しくご紹介していきます。

さらに、パーティーや記念日にぴったりな楽しみ方や、
近年人気のアレンジレシピについても触れています。

スペイン料理の魅力を知るきっかけとしてもおすすめの内容になっていますので、
ぜひ最後までお読みください。

パエリアはどの国発祥？誕生の地はスペインのバレンシア地方

パエリアの原点をたどると、
南ヨーロッパに位置するスペインに行き着きます。

特に、スペイン東部のバレンシア地方が発祥の地として広く知られており、
この地域では「パエリア」は郷土料理として深く根付いています。

実は「パエリア（Paella）」という名前自体が、
バレンシア地方の言葉で「フライパン（鍋）」を意味しており、
料理の名前というよりは
使用する調理器具の名前がそのまま定着したと言われています。

また、バレンシアは古くから米作りが盛んな地域で、
豊かな水資源や温暖な気候に恵まれていたことから、
米を主食とする料理が自然と発展した背景があります。

そうして地元の農作物や家畜、山や海の幸を活かして生まれたのが、
今日のパエリアの原型なのです。

パエリアの歴史は中世にまでさかのぼります。

8世紀頃、イスラム文化がスペインに影響を与えた際に、
アラブ人によって稲作がもたらされました。

これを機にスペイン東部では米料理の文化が発展し、
やがて地元の食材を取り入れた料理としてパエリアが誕生しました。

初期のパエリアは、ウサギ肉や鶏肉、インゲン豆、ガラフォン豆など、
バレンシア周辺で手に入りやすい山の幸を中心に作られていたとされています。

現在、こうした具材を使用した元祖パエリアは
「パエリア・バレンシアーナ」と呼ばれ、
伝統的なスタイルとしてスペイン各地で親しまれています。

ちなみに現代日本でよく見かける魚介を使ったパエリアは、
後の時代になってから広まったスタイルで、
観光地や国際的な飲食店を通じて世界中へと広がっていったものです。

パエリアの大きな魅力の一つは、
具材の旨味が凝縮されたご飯と、
サフランによる黄金色の美しさです。

サフランは非常に高価なスパイスとしても知られており、
パエリアに特有の香りと鮮やかな色味を加える重要な役割を果たします。

また、調理には「パエジェラ」という専用の浅くて丸い鍋が用いられます。
この鍋を使って、火加減や水分の調整を絶妙に行い、
底には香ばしい「おこげ（ソカラ）」を作るのもパエリアならではの楽しみ方です。

さらに、パエリアは一度にたくさん作れるため、
スペインでは家族や友人との集まり、
お祭りなどの特別な日によく登場します。

町の広場などでは直径1メートル以上の巨大なパエリア鍋で調理されることもあり、
その迫力ある光景は一種のイベントとして観光客にも人気です。

パエリアにはさまざまなスタイルが存在し、
地域や家庭ごとに異なるレシピがあります。

ここでは代表的な5種類をご紹介します。

パエリア・バレンシアーナ（Paella Valenciana）
発祥の地であるバレンシア地方で作られる伝統的なスタイル。
ウサギ肉や鶏肉、インゲン豆、白インゲン豆などを使用し、
力強い味わいが特徴です。
パエージャ・デ・マリスコス（Paella de Mariscos）
魚介類をメインに使った人気のスタイル。
エビ、ムール貝、イカなどから出る旨みが米に染み込んで、
風味豊かな味わいに仕上がります。
日本で最もよく知られているパエリアです。
パエージャ・ミスタ（Paella Mixta）
肉と魚介類の両方を組み合わせた豪華なバリエーション。
様々な具材が織りなすハーモニーが楽しめる一皿です。
アロス・ネグロ（Arroz Negro）
イカスミを使った真っ黒なパエリア。
見た目のインパクトとは裏腹に、
まろやかでコク深い味が人気。
レモンを絞って食べるのもおすすめです。
パエージャ・デ・ベルドゥラス（Paella de Verduras）
野菜を主役にしたヘルシーなパエリア。
パプリカやズッキーニ、ナスなど彩り豊かな野菜をふんだんに使っており、
ヴィーガンの方にも人気です。