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梅干しの種に天神様が宿る?意外な由来と中身の楽しみ方とは

梅干しの種に天神様が宿る 雑学・豆知識

梅干しを食べたとき、ふと「種の中に何かある」と気づいたことはありませんか?
中には「梅干しの種の中には天神様がいる」という不思議な言い伝えも。

そんな話を耳にしたとき、
「あれって食べられるの?」と疑問を感じた方も少なくないでしょう。

この記事では、天神様の由来、
さらには中の「仁(じん)」と呼ばれる部分の活用方法まで、
梅干しをもっと楽しむための情報をたっぷりお届けします。

1.種の中に天神様が?梅と深い縁を持つ歴史人物とは

梅干しを食べると、当然ながら中央には種が残ります。

そしてその種を割ると、茶色い皮に包まれた小さな白い実が現れます。

この部分は「仁(じん)」と呼ばれ、
一部では“天神様”と親しみを込めて称されることもあるのです。

歴史に登場する「天神様」の正体とは?

この「天神様」という言い方は、
平安時代の学者・政治家として名高い菅原道真(すがわらのみちざね)と関係があります。

彼は学問の神として後に「天神」として信仰され、
多くの天満宮に祀られる存在となりました。

菅原道真は不運にも政争により左遷され、
太宰府でその生涯を閉じます。

しかしその後、
京都では落雷や自然災害が相次ぎ、「道真の祟り」として恐れられます。

一方で、民衆の間では水や農業に恵みをもたらす神として崇められ、
やがて「天神信仰」が全国に広がったのです。

菅原道真と梅の深い絆

道真は梅を愛する人物としても知られており、
多くの和歌や詩に梅を詠んでいます。

特に有名なのが、
「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」という詩で、
梅に対する強い想いが感じられます。

そのため、梅干しの種の中にある小さな実(仁)に神様のような存在を見出し、
道真公に重ね合わせるようになったと考えられているのです。

梅の中に宿る神秘――それが「天神様」という言い伝えの由来です。

2.種の中の「仁」は食べられる?

梅干しの種を割ると現れる「仁」は、
実は食べることが可能です。

しかし、そのままなんでも口に入れてよいわけではありません。
いくつかの注意点とポイントを知っておきましょう。

未熟な梅には要注意

生の青梅や加工前の梅の「仁」は決して食べてはいけません。

口にしてよいのは、完熟した梅や、梅干しなどの加工済みの梅に限られます。

食べてもよい量と保存法

熟した梅干しの「仁」は、
1日1~2粒までが適量です。

保存する場合は、取り出した「仁」を酢に漬けておけば風味も長持ちし、
安全に保存できます。
冷蔵庫での保存がおすすめです。

割るときのコツと注意点

梅干しの種は非常に硬いため、
無理に歯で噛んだりすると歯を痛める可能性があります。

割る際はくるみ割り器や金槌などの工具を使いましょう。

千枚通しを使う場合は、種のヘタ部分に穴を開けて固定し、
上からトントンと叩くときれいに割れます。

3.種そのものも無駄にしない!活用法3選

梅干しを食べた後、
種を捨ててしまう人も多いかもしれません。

しかし、
この種には料理の隠し味としての活用法がいくつもあります。

魚料理の臭み消しに

煮魚や焼き魚を作るとき、梅干しの種を数個一緒に煮込むと、
魚特有の生臭さを抑え、風味に深みが出ます。
特に生姜と一緒に使うと効果的です。

出汁に梅の風味を加えて

日常の味噌汁や吸い物に、種をひとつ入れて一緒に煮出すと、
まろやかな酸味のある梅風味の出汁が楽しめます。
夏場のそうめんつゆなどにもおすすめです。

調味料のアクセントに

酢に梅の種を漬け込むと、香り高い自家製「梅酢」ができます。
そこにオリーブオイルや醤油を加えれば、
ドレッシングや和風調味料として大活躍。

無駄なく美味しさを活かせます。

まとめ

梅干しの種の中に「天神様」がいるという話は、梅を愛した菅原道真公の存在や、
その歴史背景から生まれた、奥深く温かみのある言い伝えです。

単なる迷信ではなく、
日本人の生活や信仰と結びついた文化的な価値がそこにはあります。

また、梅干しは果肉だけでなく、
種の中の「仁」までも利用できる、
まさに“まるごと使える”万能食品。

食べるときの注意点さえ守れば、
料理の幅を広げてくれる素晴らしい存在です。

これを機に、今まで何気なく食べていた梅干しに、
少しだけ敬意と興味を持ってみてはいかがでしょうか。

きっと、梅干しの奥深さに新たな魅力を感じられるはずです。

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